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新しく創設される在留資格「特定技能」について解説

2019年4月1日から新たに運用が始まる在留資格「特定技能」をご存知でしょうか。対象となるのが14業種と多岐にわたり将来的には永住権取得の可能性もあることから、外国人を雇用したい企業にとってたいへん利用価値の高い在留資格と言えます。今回は特定技能について創設の背景、内容、技能実習との違いなどを見てみましょう。

 

1. 特定技能が創設された背景と今後の展望

国立社会保障・人口問題研究所が公表した推計値(※1)によると、2019年に約60%ある生産年齢人口割合(※2)は、2049年にはおおよそ52%にまで減少するとされています。

特定技能は、こうした予測を背景として、今後特に人材確保が困難になると考えられる14業種について単純労働を含めた就労を可能にする新たな在留資格です。制度の有用性が認められれば将来的に適用される業種がさらに多くなることも考えられ、また永住権の取得方法が多様化することから、移民政策という側面からも大いに注目されます。

 

2. 特定技能の内容

特定技能は、「特定技能1号」と「特定技能2号」に大別されます。どちらも学歴や実務経験ついての要件はありません。原則的に国籍も問われませんが、退去強制者を受け入れない国は対象外となる予定です。承認には他の在留資格と同様に申請手続きが必要となります。

特定技能1号

資格取得の要件:特定技能1号の取得には次のどちらかの要件を満たす必要があります。

  • 技能実習2号の修了
  • 対象業種ごとに実施される技能試験と日本語試験への合格(※3、※4)

対象業種:介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
在留期間:最長5年(更新不可)
家族帯同:不可

特定技能2号

資格取得の要件:特定技能2号は現在のところ特定技能1号の修了者を対象としているため、本格運用は2021年からになると考えられます。資格取得には評価試験や技能検定への合格が必須となる見込みです。

対象業種:建設業、造船・舶用工業
在留期間:制限なし(更新によって延長可能)
家族帯同:可能

 

3. 技能実習との違い

従来の在留資格の中に技能実習がありますが、特定技能とはどのように違うのでしょうか。

厚生労働省は、外国人技能実習制度の主な目的として、開発途上国の発展に寄与する人材育成の支援を挙げています(※5)。加えて、法律上も同制度を国内の人手不足解消に利用することを禁じています(※6)。

特定技能は、外国人材によって将来的に不足する懸念のある労働力の補充を目的としている点で、技能実習とはまったく主旨の異なる在留資格と言えます。次の2つの例を見ると分かりやすいのではないでしょうか。

  • 技能実習では労働が1週間28時間以内に制限されているが、特定技能では通常の労働者と同等の範囲内で許可される。
  • 特定技能は、たとえば介護分野における入浴や食事のお世話など単純作業にも従事できる。

 

まとめ

特定技能は、日本の労働市場に大きな変革をもたらす可能性のある在留資格です。該当する業種で外国人を雇用したい企業では積極的に活用したいですね。

 

※情報は記事執筆時点のものです。在留資格申請などの際には関係省庁のHPなどで最新情報をご確認ください。
※1参照:国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計人口(平成29年推計) 表3-3
http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017/db_zenkoku2017/g_tables/pp29gt0303.htm
※2:国内で労働できる人口の割合。15~64歳の日本人を対象として算出。
※3:2019年4月以降から中国、モンゴル、フィリピン、ベトナム、カンボジア、タイ、インドネシア、ミャンマー、ネパールを対象に随時実施される予定。
※4参照:厚生労働省 介護分野における新たな外国人材の受入れについて
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117702.html
※5参照:厚生労働省 外国人技能実習制度についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/global_cooperation/index.html
※6参照:e-Gov 外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 第三条2
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail/428AC0000000089_20171101_000000000000000/0?revIndex=1&lawId=428AC0000000089

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ライタープロフィール

萩野康史:難しい話題でも平易な文章で分かりやすく紹介すことを心がけています。ビジネス関連の記事と並行してアートや旅についても執筆中。ライターとして生計を立てることは子供のころからの夢でした。

 


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