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採用・雇用-外国人雇用に関する「人事労務Q&A」

Q8:外国人の部署替えや職種変更の際に在留資格に制限はあるの?不法就労で罰則や強制退去になる可能性も…

注)この記事は株式会社ACROSEEDの提供によるものです。

 

<質問> 

弊社は製造業を営んでおり、日本人と外国人を分け隔てることなく平等に採用を行っています。国籍に関係なく実力があれば正社員として採用し、企業の貴重な戦力となるべく教育も実施していく予定ですが、その一環として現場での実地研修やジョブローテーションを行う予定です。ところが、外国人社員の場合には在留資格の問題があり、現場での単純作業などは難しいと聞きました。彼らは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格ですが、このような状況でジョブローテーションを行っても問題ないでしょうか。

 

<答え>

・正確な在留資格の把握

まず、採用した外国人従業員の在留資格が何であるかを正確に把握することが必要です。一般的に単純作業を行う際に問題となりやすいのは「技術・人文知識・国際業務」と呼ばれる在留資格を所持している場合です。これ以外の在留資格である「定住者」、「永住者」、「日本人の配偶者等」などの在留資格の場合には、原則として就労に制限がないため工場内での単純作業などに就かせても問題はありません。(定住者は一部例外があります。)

 

・「技術・人文知識・国際業務」の場合

外国人留学生を新卒採用などで入社させた場合には、ほとんどのケースで「技術・人文知識・国際業務」に該当することとなります。この場合には、おっしゃる通り工場内での単純作業などに就かせることはできません。というのは、入管法により職務内容が定められており、単純な反復作業や単なる接客業などを行うことは、この在留資格で認められていないからです。万が一このような業務に従事されると不法就労となり、雇用主には罰則が、そして、外国人社員は日本からの退去強制になる可能性が生じますので、絶対に避けなければなりません。

 

・資格外活動の活用

原則として外国籍の社員が現在与えられている在留資格に該当しない業務に従事する場合には、資格外活動の許可が必要となります。この許可の要件としては、「その外国人が有する本来の在留資格の活動の遂行を阻害しない範囲内であり、かつその活動が相当と認められる場合」とされています。また、「本来の活動の遂行を阻害しない範囲」とは、入国・在留審要領によると「単にその活動の時間数、報酬額の多少によって判断されるものではなく、具体的な事情に基づいて実質的に判断される」とされています。

 

・従たる業務と主たる業務

ジョブローテーションなどの結果、現在の在留資格である「技術・人文知識・国際業」で行う活動が「主たる業務」である場合には資格外活動許可の申請を行えば、許可される可能性は考えられます。その際にはジョブローテーションの趣旨、行う業務内容、業務量、1日の業務中の何時間を充てるのか、どれぐらいの期間継続させるのか、といった詳細を明確にして申請することとなります。

一方、本来の「技術・人文知識・国際業」で行う活動が「従たる業務」となる場合には、在留資格の変更申請等を行う必要性も考えられます。この場合には「従たる業務」として行わせる業務内容に応じて別の在留資格へと変更しなければなりませんが、工場内での単純作業や単なる接客業などではそもそも該当する在留資格がないことも珍しくありません。

 

・安易な判断は危険

現状の在留資格のままで「従たる業務」を行わせても良いかどうかの判断は非常に微妙であり、雇用企業にとって都合のよい判断をしてしまうと不法就労に該当することにもなりかねません。そのため、このような場合には最寄りの入国管理局か行政書士などの専門家に相談するようにしてください。いずれにせよ、少なくとも実務上ではジョブローテーションで担当させる従たる業務が、主たる業務の過半数を超えないようにする必要があります。

 

・ビザ変更時の対応

そもそも工場内での単純作業に従事させることを目的とした採用ではなく、あくまでもキャリア形成の一環で現場を知ってもらうことを目的とした場合には、例外入国管理局で例外的に認められる可能性もあります。その際には採用時の「留学」から「技術・人文知識・国際業務」への在留資格の変更時に、明確にどのような業務に就くのか、どれぐらいの期間なのか、この経験を活かして将来はどのようなキャリアに就くのか、といったことを事前に説明したうえで在留資格の許可を得なければなりません。入国管理局が内容を把握し、提出した内容通りの一時的な単純労働に就かせる分には、原則として問題となることはありません。しかし、入国管理局に知らせることなく自社の勝手な判断で行った場合や、提出したスケジュール通りに行わなかった場合などには、問題となることも考えられます。

いずれにせよ、キャリア形成の一環であっても実地研修やジョブローテーションに従事させる場合には慎重な対応が求められます。

 

 

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ライタープロフィール

株式会社ACROSEED  代表取締役 佐野 誠

大学卒業後、外国人雇用に特化した行政書士法人、社会保険労務士法人、税理士法人を併設し、大手企業から中小企業までの外国人雇用コンサルティング、在留手続きを得意とする。その他、専門性の高い許認可の取得コンサルティング、外国人雇用に関する講演活動などを精力的に実践している。

著書「外国人雇用実践ガイド」(Lexis Nexis)、「外国人のための雇用・受入れ手続マニュアル」(日本加除出版)


ジープラスメディアはACROSEEDと提携し、外国人採用における、就労ビザ申請のお手続きや外国語による保険手続きなどの労務・法務業務のサポートサービスを提供しています。

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