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採用・雇用-外国人雇用に関する「人事労務Q&A」

Q5:日本にずっと住みたいと懇願する外国人社員、雇用企業は永住権取得に協力すべき?

注)この記事は株式会社ACROSEEDの提供によるものです。

 

<質問> 

サービス業を営む弊社では、8年前より将来の人材不足を危惧して積極的に外国人雇用を進めてまいりました。現在では外国人材の定着もうまく進み、すべて順調に進んでいるのですが、最近では日本の永住権を取得したいとの相談を受けることが多くなりました。雇用企業としては既に「技術・人文知識・国際業務」という就労ビザを所持しているため、業務に支障が出ることはありません。永住権の取得までも雇用企業がサポートすべきものでしょうか。

 

<答え>

● 永住権とは

永住権とは文字通り日本に永住することができる権利のことで、在留資格は「永住者」となります。滞在期間は無期限となり、在留期間の更新等も必要なくなります。また、最大の特徴としては就労に制限がなくなるため、「技術・人文知識・国際業務」などのように卒業した学部と職務内容の関連性などを問われることもなく、適法なものであれば例え風俗業であろうともどのような仕事にも就くことができるようになります。一方、外国人従業員から見ると、その家族が日本にいる場合には、通常は「家族滞在」の在留資格から「永住者の配偶者等」へと変更になり、子供の進学、就職、海外留学などを考慮しても非常に有利となります。

 

● 在日外国人にとっての永住権の意味合い

日本に長期滞在する外国人にとって「永住権」は、誰もが欲しがる最良の在留資格となります。同様のものに日本国籍を取得する帰化申請もありますが、こちらは文字通り母国の国籍を捨てることになるため、多くの外国人は永住権を取得したがります。また、永住権の取得が一種のステータスにもなり、「同僚が取得したのに、私はまだ永住権がとれていない…」とか、「知り合いの〇〇さんは、来日15年もたっているのに、まだ永住権を持っていないらしい…」といったうわさ話も聞かれることがあります。そのため、日本に定住を考える外国人にとって「永住権」の取得はステータスでもあり、より安定した生活を得るための保証とも言い換えられます。

 

● 雇用企業にとってのメリット

質問でお悩みの通り、雇用する外国人従業員が永住権を取得することは、その人の個人的な選択であり、本来は雇用企業が関与することではありません。とはいえ、「技術・人文知識・国際業務」であった従業員が「永住者」を取得すれば、職種に制限がなくなるため、一時的な工場内での単純作業、店舗での接客、それに長期間にわたる海外赴任などにも、安心して活かせることができます。また、永住権を取得したことにより日本社会に根を下ろす覚悟ができ、より業務に励むようになるかもしれません。雇用企業にとって過度な負担とならないようであれば、永住権の取得を応援するというスタンスで臨んだ方が良いのではないでしょうか。

 

● 短期的に雇用企業に求められること

永住権の申請にあたって、短期的に求められることの代表格は、身元保証人の引き受けとなります。永住申請を行う場合、その外国人従業員の身元保証人を求められることが一般的であり、会社の上司や人事部などに依頼されるケースが多いようです。通常、身元保証人という場合には、金銭債務の保証や損害賠償の担保などがありますが、入国・在留手続き上の身元保証には損害賠償の担保という意味はありません。この場合の保証は出入国管理行政上の必要から提出を求められているのであって保証の内容は入国管理局で配布している保証書に記載されているとおり「滞在費」、「帰国旅費」、「日本国法令の遵守」の3つになります。具体的に言うと本人の在留活動や生活面で相談にのり、法令に違反しないよう指導し、滞在費・帰国旅費についても本人に支払い能力がない場合には、金銭的な援助を行う責任があるということです。

それゆえ、通常、身元保証人となった場合には身元保証書、居住地を証明するものとして住民票、それに住民税の納税課税証明書などの収入を証明する物を添付することになります。

 

● 長期的に雇用企業に求められるもの

永住権の取得について長期的な視野で雇用企業に求められることは、「長期的な海外出張の抑制」となります。一般的に永住権の申請を行う際には過去3年程度の日本での滞在歴が調査され、特に過去1年間は日本での滞在期間が数カ月というような短期間であれば、日本社会への定住性が見られないとして永住権の取得は難しいとされています。具体的な日数は公表されていませんが、1年の大半は日本で過ごしていないと難しく、海外支店の立ちあげなどの長期的な海外出張と重なると、他の要件は満たしていてもなかなか永住権が取得できないことにもなりかねません。このような事が原因で転職を考える外国人従業員も多くいるため、トラブルを避けるためにも、雇用企業としてもその期間中のみ配置転換を行うか、担当する業務を変更するなどの配慮が求められます。

以上、雇用企業が外国人従業員の永住申請のために注意することをお伝えしましたが、込み入った話や具体的な相談の場合には、雇用企業の取引先の行政書士などを紹介するだけでも話がスムーズに進むことがあります。雇用企業として対応に困ることがあればこのような対応も試みてください。

 

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ライタープロフィール

株式会社ACROSEED  代表取締役 佐野 誠

大学卒業後、外国人雇用に特化した行政書士法人、社会保険労務士法人、税理士法人を併設し、大手企業から中小企業までの外国人雇用コンサルティング、在留手続きを得意とする。その他、専門性の高い許認可の取得コンサルティング、外国人雇用に関する講演活動などを精力的に実践している。

著書「外国人雇用実践ガイド」(Lexis Nexis),「外国人のための雇用・受入れ手続マニュアル」(日本加除出版)


ジープラスメディアはACROSEEDと提携し、外国人採用における、就労ビザ申請のお手続きや外国語による保険手続きなどの労務・法務業務のサポートサービスを提供しています。

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