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採用・雇用-外国人雇用に関する「人事労務Q&A」

Q2:外国人社員の就業規則を作る際にはどのような点に注意したらよいでしょうか?

注)この記事は株式会社ACROSEEDの提供によるものです。

 

外国人社員を雇用するにあたり、就業規則は非常に重要な役割を果たします。というのは、生まれ、育ち、文化が違う外国人従業員にとっては、日本人が考える常識が通用しないケースが往々にしてあるからです。その代表例としては業務時間への遅刻、就業中にガムを噛む、お茶出しやゴミ捨てなどの労働契約に記載されていない業務を断ること、などがあげられます。これらの行為は外国人社員が育った環境では十分に常識的な振る舞いである可能性が高く、単に日本の常識にあてはまらないという理由で叱るだけでは根本的な解決には至らないケースが目立ちます。

 

このように異なる文化同士の人たちが共に職務を遂行する際に重要となるのが、メンバー全員に共通するルール、つまり就業規則です。ルールとして行ってはいけない行為、それに対する罰則などを明確に示しておけば、トラブルが生じた際にも感情的になる必要もなく、理論的に説得することも可能となります。また、「会社に迷惑をかけてやろう」と考えて入社する外国人従業員は、まず存在しません。単に前もってお互いにルールをしっかりと確認しておけば、ほとんどの不要なトラブルは防げます。そのためにも、外国人雇用において就業規則は非常に重要な役割を果たすといえるでしょう。

 

(1)就業規則と労働契約

就業規則とは、会社にとって労使関係における基本的なルールを定めた規則であり、労働者を使用している事業場は、その労働者が就業する上で遵守すべき規律や、賃金、労働時間、休日、休暇などの労働条件について具体的な細目を定めています。労働基準法ではこうした労働時間や賃金といった主な労働条件について、就業規則に記載することを求めており、就業規則に記載された労働条件を会社の労働条件としています。労働基準法は国内の最低労働条件を定めているのに対し、就業規則は会社における最低労働条件を定めています。

 労働契約を締結する際は、労働者が契約締結時に画一的・統一的な労働条件を定めた就業規則を包括的に同意することにより、その就業規則に規定する労働条件にも合意しています。また、契約締結時に就業規則の内容を明確に同意していない労働者や、その内容を知らされていない労働者であっても、その就業規則の内容が合理的であればその内容が契約内容としての効力を持つとされています。

 

(2)就業規則の作成・届出義務

労働条件や服務規律などの就業に関する規定を使用者に一任してしまうと、使用者に有利な内容に規定し、その運用も恣意的にされてしまうなどの弊害が想定されます。労働基準法は労働者の保護の観点から、常時10人以上の一定規模以上の労働者を使用する使用者に対して、就業規則の作成および届出義務を課しています。また、これらの就業規則の記載内容を変更した場合においても、労働基準監督署長へ届け出なければなりません。

就業規則を事業所管轄の労働基準監督署へ届け出る場合には、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならないとして、労働者の過半数を代表する者の意見書を添付することを規定しています。この意見聴取は、就業規則の作成に労働者を参加させる趣旨ですが、意見聴取にあたっては、就業規則に添付した意見書の内容がその就業規則に全面的もしくは特定部分に関して反対するもの、またその反対理由の如何を問わず、その効力についての他の要件を具備する限りにおいて、就業規則の効力についての影響はありません。すなわち、労働者の過半数を代表する者の意見を聴くのであり、同意を得ることは必要とされていません。しかし、意見聴取にあたっては、就業規則への陳述する機会などの時間的余裕を充分に与えることは必要です。また、代表者の選任については、労働基準法第41条2号の管理監督者ではないこと、民主的投票、挙手などの方法によることが必要です。

 

(3)外国語による就業規則

外国人雇用における就業規則の作成に当たっては、できることならその外国人従業員が理解できる言葉で作成することが望ましいとされています。高度人材の採用であれば英語での作成が大部分を占めますが、システム開発などで中国人技術者などが多い場合には、もちろん中国語での作成が望ましいといえます。外国語での就業規則の作成は、労使紛争が起きた際に「日本語での表記だから意味が分からなかった」という言い訳を封じる第一歩と言えるでしょう

 

(4)就業規則の記載事項

就業規則の記載事項には、賃金、労働時間、休日、休暇などの労働条件で必ず記載しなければならない“絶対的必要記載事項”と、退職手当、臨時の賃金など規定しなくてもよいですが、定めをする場合においては必ず記載しなければならない“相対的必要記載事項”および記載することを義務付けられていませんが、使用者が記載するか否かは任意である“任意的記載事項”に区分でき、その記載方法については就業規則に別規程を定めることができます。

外国人雇用における就業規則においては、事前にある程度のトラブルなどを想定してその事項を盛り込んでおいたほうがよいでしょう。特に今まで日本人社員しかおらず、就業規則が形骸化しているような場合には内容をしっかりと見直し、ルールブックとして機能するように最新の状況に対応できる内容に変更することが必要です。

 

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ライタープロフィール

株式会社ACROSEED  代表取締役 佐野 誠

大学卒業後、外国人雇用に特化した行政書士法人、社会保険労務士法人、税理士法人を併設し、大手企業から中小企業までの外国人雇用コンサルティング、在留手続きを得意とする。その他、専門性の高い許認可の取得コンサルティング、外国人雇用に関する講演活動などを精力的に実践している。

著書「外国人雇用実践ガイド」(Lexis Nexis),「外国人のための雇用・受入れ手続マニュアル」(日本加除出版)


ジープラスメディアはACROSEEDと提携し、外国人採用における、就労ビザ申請のお手続きや外国語による保険手続きなどの労務・法務業務のサポートサービスを提供しています。

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