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採用・雇用-外国人雇用に関する「人事労務Q&A」

Q10:外国人社員の入社後にはどんな研修・教育を行えばいいの?

注)この記事は株式会社ACROSEEDの提供によるものです。

 

<質問> 

弊社は埼玉県で工場機器部品の製造業を営んでおります。慢性的な人不足のため数年前から外国人材を採用しており、現在では5名の外国人社員が勤務しております。技術的な指導や日常勤務に関する教育は行っており、業務はうまく回っています。とはいえ、この従業員のために今後、どのような研修や教育を行えばよいのか見えていません。何かよいアイディアはないでしょうか。

 

<答え>

・会社で行う教育の重要性

外国人雇用といえば、異なった文化、宗教、習慣の人たちに共通の考えを持たせていくことが重要となります。日本に入国した時点ではそれぞれ異なった考えを持っていることは当然ですので、雇用企業が業務を通して日本人の考え方、会社の理念、働き方、道徳観などを示し、貴社で共通の考えとして浸透させていかなければなりません。これがうまくできないと社員全員のベクトルが合わず、個々が努力しても会社の目指すゴールとは違う方向に力がそれて、組織が分裂してしまいます。

また、海外で成長した人は、日本のように安全でいつも食べ物があり、誰もが教育を受けられる恵まれた環境で育ったとは限りません。このような外国人従業員に、日本人のもつ美徳や道徳観を理解してもらうことは、非常に重要で意義あることです。グローバル人材を育てる上でも、取り組んでいく必要があるでしょう。

 

・日本語教育

採用した外国人従業員が永住権を取得したり、今後も日本に長く居住するようであれば、日本語教育は非常に重要です。業務上でも日本語が話せ、読め、書けた方が効率も上がりますし、後輩の外国人社員が入社してきた場合でも柔軟な対応が取れます。また、日本での長期的な生活を送るのであればある程度の日本語の読み、書き、会話は必要不可欠であり、仮にその従業員が退職することとなった場合でも再就職が有利になります。定年退職後に日本で生活をする場合にも必ず役立つ能力です。

日本語教育というと高額な費用が必要になると思われがちですが、現在ではインターネットを利用したオンライン方式で授業を受けることもできます。カリキュラムも業種ごとに準備されていたり、受講内容や出席率、学習の進み具合も会社側で把握できるようなシステムもついています。パソコンを利用して実施しますので、1人の講師がまとめて5~6名の生徒に授業をすることができ、費用もかなり安く抑えられますので検討しみてはいかがでしょうか。

また、日本に滞在する外国人に日本語を教えるボランティアや市区町村の公的なサービスもあります。時間や費用、授業の質などはそれぞれですが、条件に合うようであればぜひ活用してください。

 

・日本人の考え方や習慣

たとえ企業が欧米式の働き方を取り入れたとしても、会社を一歩出ればそこは日本です。外国人社員にとって会社以外の日常生活が充実することは、業務上のパフォーマンスを上げるうえでも重要なことです。よくある例としては、外国籍の配偶者やその子供がうまく社会になじめず、帰国を余儀なくされる例です。独身の場合でも近所に日本人の友達ができる、知り合いができることは非常に良い刺激となります。そのためには、日本人の考え方や習慣などを積極的に教えていく努力が必要です。社内行事として日本の伝統文化に触れる機会を設ける、本物の和食を食べに行く、職人の技を見学するなど、何かにつけて機会を設けることが大切です。これは外国人社員に限らず、“お寿司といえば回転寿司”で育った現代の若い日本人社員にも当てはまります。このようなイベントを通じて社員間の交流も生まれ、愛社精神も育っていきますので、無理のない範囲でぜひ実施してみて下さい。

また、日本人の考えや習慣を学ぶには、日本の古典や小さいころに読み聞かせられた“おとぎ話”なども立派に活用できます。従業員の教養を広めるためにも活用してください。

 

・働き方

一般的に外国人社員は“場の空気を読んで行動する”ことが難しく、自社の働き方を教育するには明確なルールを示すことが重要です。そのためには、就業規則や業務マニュアルを作成し、必要であれば英語や中国語などの外国語でも作成したほうが良いでしょう。特に残業の実施、有給の取得などにみられることが多いのですが、ルール上は決まっているが実際の運用は違うといった部分があれば、そこを一つ一つ正していく努力が必要です。就業規則に有給が取れると書いてあったので、「有給が欲しい」と言ったら嫌な顔をされた…こんな経験をすると何を基準に行動してよいのかがわからなくなり、会社に対する信用がどんどん低下していきます。前もって「有給をとるのならこの時期は忙しいので遠慮してほしい」、「代わりの人員を手配するので2週間前には教えてほしい」と理由を説明して会社の要望を明確に伝えておけば、ほとんどのケースでスムーズに進みます。ルールは、事前に言えば“説明”となりますが、事後に言えば“言い訳”にしかなりません。伝えるべきことを明確にして、会社としての共通の働き方を作りがあげることが重要です。

 

・企業理念

会社の経営理念や考え方を共有することは、何よりも重要です。私たちは何のために働くのか、社会にどのような価値をもたらすのか、すべての根本である理念に共感が持てなければ、その外国人社員にどのような教育を行っても意味がありません。企業理念の教育は外国人社員だけでなく、日本人社員にとっても重要であり、理念があって初めて、会社の方針、戦略、人員配置、働き方が決まってくる会社の背骨のようなものです。この理念の教育を通して価値観を共有していくことがやる気と活気に満ちた組織を作っていきます。

理念の説明は難しい言葉で、漠然とした内容のものが多ため、外国人社員に理解してもらうためには噛み砕いて「要するにどういうことか」なるべく簡単な言葉で伝えていくことがポイントです。

 

外国人従業員に対する教育は会社により様々であり、ここに記したものは一例となります。他にも独自に教育を行う会社はたくさんありますので、将来どのような人材に育ってほしいのかを明確にし、そこら教育内容を考えていくようにしてみてはいかがでしょうか。

 

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ライタープロフィール

株式会社ACROSEED  代表取締役 佐野 誠

大学卒業後、外国人雇用に特化した行政書士法人、社会保険労務士法人、税理士法人を併設し、大手企業から中小企業までの外国人雇用コンサルティング、在留手続きを得意とする。その他、専門性の高い許認可の取得コンサルティング、外国人雇用に関する講演活動などを精力的に実践している。

著書「外国人雇用実践ガイド」(Lexis Nexis)、「外国人のための雇用・受入れ手続マニュアル」(日本加除出版)


ジープラスメディアはACROSEEDと提携し、外国人採用における、就労ビザ申請のお手続きや外国語による保険手続きなどの労務・法務業務のサポートサービスを提供しています。

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