インフレと同時に賃金上昇が進んでいる欧米諸国と、円安の進行と賃金が上昇しないことが課題となっている日本とでは、実際どれくらいの給与差が出ているのでしょうか?
アメリカの求人情報検索サイト[Glassdoor]の平均給与の比較サービスによると、アメリカでのITエンジニアの平均給与は94,000ドル〜150,000ドル、これに対し、日本でのITエンジニアの平均給与は300万円〜700万円です。IT関連の仕事は他の業界に比べ、スキルや経験によって給与に大きな差がありますが、それでも、現在を1ドル=160円換算で1,504万円〜2,400万円、急速な円安が進行する前の2022年3月の1ドル=115円の時に比べると、為替だけで400万円から675万円もの差が出ていることがわかります。
もちろん、この比較はそれぞれの国での平均給与をドル円の為替に変換しただけのものであり、実際に海外で生活するとなれば、もちろん給与だけでなく、家賃や生活費などの物価や治安なども考慮しなければなりません。賃金水準とインフレの双方が進行している欧米諸国と比較して、外国人にとって日本で働くことの魅力とは何でしょうか?
海外人材紹介会社のZenkenが今年1月に実施した海外での就職を希望するインドの工科系大学4年生へのアンケート調査の例を見てみましょう。
この調査はZenkenがインド・ベンガルールなどの25箇所の工科系大学で海外就職を希望する4年生を対象に1月2~9日に実施し、905件の回答を得たアンケートです。調査結果によると、9割のインド人IT学生は「米独よりも年収が低くても日本で働きたい」と判明しました。
海外を目指す背景は?
インドは国家戦略としてITエンジニアの育成に力を入れている一方で、国内には日本のようなグローバル展開をしている企業が少なく、また、国内製造業のインフラも十分も整備されていないため、国内の平均年収は1万ドル台と言われています。 国内での就職先が限られているという状況と世界でのIT人材への高いニーズにより、大学で学んだIT知識やスキルを活かして、給与の高い海外で働きたいというインド人学生が多いという背景があります。
日本で働きたい理由は?
アンケート調査によると、回答したインド人学生の54.7%は「日本は米国やドイツなどに比べて年収が低いと感じる」、そのうちの87%が「それでも日本で就職したい」と回答しました。
日本で働きたい理由(複数回答)を尋ねたところ、最も多かったのは「仕事のやりがい」で、次に多かったのは「アニメーションなどの文化」と3番目の「治安・安全面」となりました。日本企業の技術力の高さと文化・生活環境の良さが日本で働きたい理由となっていることを示しています。一方で、働きたい理由の中には、「別の海外の国で働くためのステップ」と「国はどこでも良く、海外で働きたい」など、本国にいる外国人にとっては、自国を出て就職をすること重要で、特に日本に拘っている訳ではないという回答も多く見られました。
一方、すでに日本に住んでいる外国人材はどうでしょうか?外国人が日本で仕事を探す時に最初に登録する求人サイトとして有名なガイジンポットジョブでのIT関連の仕事を見てみると、平均給与は540万円〜740万円程度、海外でのエンジア系の相場に比べると低いものの、日本国内の他の業種の仕事と比較して高い傾向にあります。
これらの募集求人に対しての反響は1ヶ月でPVは1万超、応募数は平均して87名、一般的な他のホワイトカラーの求人の平均応募者数にあたる53名と比較して、約1.6倍と高い人気を誇っていることがわかります。
ガイジンポットジョブには、50万人以上の英語およびバイリンガルの登録人材がおり、在日外国人就労者の約17%にあたります。ガイジンポットジョブの調査データによると、登録者の20.5%は「大卒」+「英語が堪能」かつ「日本語もビジネスレベル」以上の言語能力を持っています。
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