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グローバルに考え、ローカルに旅行する

ポストコロナを生き抜くための「持続可能な観光業」へのシフト

2020年7月—新型コロナウイルス(CoVid-19)の世界的な感染拡大による混乱から日を追うに従い、経済活動は一時的停滞から少しずつ平静を取り戻しつつありますが、企業は依然としてこれまでの顧客をつなぎ止めつつ、新たな顧客を獲得しなくてはならないと言う困難な状況に日々直面しています。

今月のジープラスメディア インテリジェンスレポートではコロナ禍収束後に予想される、地域ビジネスにおける観光戦略の変化についてお伝えします。

日本におけるポストコロナの観光マーケティングでは、地域ごとの持続可能なエコツーリズムが注目され始めています。

4月15日、日本政府観光局(JNTO)は、2020年3月の訪日外国人数が、前年同月比93%減の19万4000人だったと発表しました。

海外から日本への入国規制は現在も続いており、この夏、インバウンド観光の需要が急回復することは難しく、訪日外国人観光客数は1年から1年半以上かけて、ゆっくりと回復するものと予想されます。しかし、その形はかつての観光とは異なった形になるかもしれません。

ポストコロナの世界の観光のトレンドは今後、大きく変化するものと思われます。国連世界観光機関(UNWTO)による予測によると、世界の旅行の傾向は個人旅行(FIT)の増加、「モノよりコト」を重視するものに変化してきましたが、コロナ禍以降の「ニューノーマル (新しい常識) 」では、これに「安全に」世界を探訪したいという基準が加わりました。そしてそれは「持続可能な観光 (サステイナブルツーリズム) 」という形を中心に展開すると予想されます。

日本では旅行代理店、観光地、メディアいずれもまだあまり注目していませんが、新たな分野でイニシアチブを取りたい企業にとっては大きなチャンスを秘めています。しかも外国人旅行者と日本人旅行者の両方を引き付けることが可能なのです。

持続可能な観光について、UNWTOは以下の3つの旅行のキーワードを挙げています。

  1. 環境 (Environment)
  2. 地域 (Society)
  3. 経済 (Economy)

日本の国土の66%は森林で覆われています。これは、経済協力開発機構(OECD)加盟国37か国の中でトップ3の数字です。森林面積の少ない国でさえ、自然を活用し、すでに持続可能な観光キャンペーンを推進しています。自然豊かな日本であればなおさら「持続可能な観光」が拡大していくことは間違いありません。

ジープラスメディア のウェブサイトにおいてもユーザーの多くが、日本の田舎への旅行に興味を持っており、昨年の2019 GaijinPot Travel Awardにおいて、「東京」、「京都」、「福岡」といった大都市を抑えて、大賞を受賞したのは和歌山県南部と三重県南部からなる「熊野地方」でした。

地域の観光業にとって持続可能な観光を目指すことの大きなメリットの一つは今ある環境、文化遺産を活用するため、従来の団体観光客を想定した大きな開発投資を必要としないということです。一方で、観光資源を保護し、本物の自然体験を提供するためには、農村地域の屋外施設の所有者、地域の観光協会、目的地までの各種交通機関など、地域に関連するステークホルダーの理解と協力が重要になってきます。

インバウンド旅行者の早期の回復が困難な今、近くにいる日本人観光客と外国人(在留外国人)を対象とした、「マイクロツーリズム」に焦点を当てることは自然な流れになってくると考えられます。マイクロツーリズムとは、従来の海外や国内遠方へ行く旅行と異なり、地元や地域といった近場の魅力を再発見する観光や小規模、もしくは個人の旅行者(FIT)を指します。

これらの旅行者は派手な広告によらず、インターネット、ソーシャルメディア、口コミで収集した情報と調査に基づいて旅行を計画する傾向にあります。このため、彼らが自分たちの地域について旅行することに興味を持った際に観光地点の情報だけでなく、そこまでの交通手段、アクセスまでの時間やアクティビティなど、総合的な情報も同時に得られるように情報発信するなどの工夫をしていくことが大事になってきます。

マイクロツーリズムの対象となる旅行者に在留外国人を加え、在留外国人へ訴求することは、今後海外からの入国規制が解かれた際の訪日観光客へのアプローチにとっても大きな役割を果たすことになるでしょう。